
スポーツ先進国であるアメリカの歯科医師会は、アメリカ国内でおこなわれるスポーツの試合中にマウスガードを装着することにより、年間20万件以上の顎や歯などの外傷を防いでいると報告しています。日本でも予防効果が高いという同様の報告がみられます。
また正しいマウスガードの使用は体のバランスの安定、筋力の向上が見られるだけでなく、スポーツの種類によっては競技力が向上すると報告されています。
マウスガードの装着は、ボクシングやアメリカンフットボールでは義務化されており、試合時は必ず装着しなければなりません。一部義務化されているスポーツには、ラクロス、空手、ラグビーなどがあります。
また、コンタクト(接触)スポーツである、サッカー、レスリング、バスケットボール、水球、ハンドボール、ホッケー、アイスホッケー、柔道、相撲、野球などの一部の選手の間でも使用されています。
そしてコンタクトスポーツでない重量上げや、アーチェリー、射撃などでも使用されています。
マウスガードは一度作ればOKというものではありません。装着時の食いしばりは、マウスガードをすり減らしてしまうからです。
マウスガードは少なくとも1年に1回はすり減りや破損をチェックしてもらい、いたんだものは作りかえることをおすすめします。
また成長期のお子さんは、かならず2~3か月に一度はチェックを受けましょう。
マウスガードにはスポーツ用品店などで販売されている簡易型のものもありますが、口をあけるとすぐに落ちてしまったり、正しい咬み合わせができず顎関節(がくかんせつ)を痛めるなど、かえって危険なことがあります。